tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

カジノで観光客を・・・?

2014年08月03日 09時49分05秒 | 社会
カジノで観光客を・・・?
 外国からの日本への観光客が昨年初めて1000万人を突破しました。今年は上半期ですでに600万人、通年では1200万人が期待されるそうです。とはいえ、国際的に見ればまだまだ少ない数字です。これからの伸びる余地は大きいでしょう。
 ヨーロッパ社会から見れば、ファーイースト、まさに東のはずれの遠い国、しかもこの20年、異常な円高で「日本には行ってみたいけど、高くついて大変」という状態でした。

 昨年からの2割ほどの円安で、日本への旅行の安くなりました。観光客急増の大きな背景でしょう。
 もともと日本には西欧文明とは異質な沢山の観光資源があります。芸術の世界でも、かつてのフランスのジャポニズム、ボストン美術館の膨大な日本の美術品の収蔵等は広く知られ、産業の世界では、世界に広まる精密機器の原産地、質が良く信頼性の高い日本製品への評価があります。

 さらに最近相次いで世界遺産に登録される自然遺産、文化遺産、中でも富士山はヒマラヤやヨーロッパのピークほど高くはありませんが、海面から一気に3776メートルに達し、その均整のとれた美しさは世界に類を見ません。
 また沖縄から北海道まで南北に長い複雑な地形の列島は、多様な文化を生み、これは多様なDNAの共存、多様な文化・宗教の共存という伝統文化、歴史とともに、日本独特の形を見せています。

 さらに加えれば、最近世界に発信されている、日本の多様な食文化、ジャパニーズ・クール、KAWAII、おもてなし、などの日本社会の在り方の人気上昇などなど、これから日本観光は着実に伸びていくと思われます。

 こうした中で、安倍政権は、観光客誘致の目玉として「日本にもカジノを!」と言っているようです。日本人として、余りに日本人本来の「心」を知らない発言と嘆くのは私だけでしょうか。

 金持ちの観光客を呼ぶためにとか、地域おこしに有効とか、理由は挙げられているようですが、些か心得違いが過ぎるのではないでしょうか。
 何時も述べていますように、日本人はおカネについても「その由来」によって区別をしているのです。同じカネでも「あぶく銭」は蔑視されるのです。観光収入のためなら、稼げるのなら、「ギャンブルだっていいじゃないか」というのは本来の日本文化とは違うようです。
 地域おこしにしても、わが町をギャンブル産業で豊かにしようと住民がこぞって賛成する地域があるでしょか。

 かつて書かせて頂きましたが、日本は「普通の国」になるべきではないのです。日本は日本の、日本人の持つ本来の「心」、縄文以来保持してきた日本の自然、その上に築いた伝統文化、産業さらにジャパニーズ・クールやおもてなしなどなど、上に述べたような、自然に発生してくる日本の魅力で観光客に来ていただくの本来の姿でしょう。
 日本独特の姿「日本らしさ、日本の特色」を十分に生かし、それを世界に発信することが、世界中から観光客を呼べる原動力なのではないでしょうか。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本にカジノ? (パンダ)
2014-08-05 14:07:53
まったくです。日本はコツコツと真面目に稼いできたから、このような国が現在あるのです。金が入ればどんなやり方でもではなかったはずです。きちんとした働きの対価でなければ、崩れるのもた易いこと。分不相応な持ち物を望むことは破滅への道でしょう。カジノのメリットはデメリットとセットで受け入れることとなります。今でも賭け事に手を染めて抜けられない地獄を味わっている人の依存症問題は深刻です。カジノがなければ食うに困る国ではないのなら、持つものの使い方を模索することが先だと思うと若い人も言っています。変なものを入れないでくれよですってよ。
Unknown (tnlabo)
2014-08-11 21:39:57
同感とのご意見ありがとうございます。こうしたコメントを頂くと書くのに張り合いが出ます。

コメントを投稿